これからFPの勉強を始める初学者向けに各分野から
勉強のポイント、間違いやすい箇所、つまずきやすい箇所、出題されやすい問題を解説。
また、私がFP3級に一発合格する為に実践した方法、重点的に勉強した科目を紹介します。
FP3級試験では学科・実技ともに次の6分野から出題があります。
①ライフプランニングと資金計画
②リスクマネジメント
③金融資産運用
④タックスプランニング
⑤不動産
⑥相続・事業承継
今回はFP試験の基礎であり、最初に学習を始めることが多い①ライフプランニングと資金計画の分野より『キャッシュフロー表』について解説していきます。
【キャッシュフロー表】変動率の計算方法
キャッシュフロー表とは
キャッシュフロー表とは、将来の家計管理の予想をまとめた表です。
実技試験で、キャッシュフロー表の穴埋め問題がかなりの確率で出題されています。
ここで出てくるのが”毎年1%ずつ増えたら3年後は○円”のような「変動率」の計算。
キャッシュフロー表はもちろん、他の分野でも必要になってくるので、電卓の使い方も含めて、しっかりとマスターしておきましょう。
n年目の予想額=現在の金額×(1+変動率)n
例えば、
現在の金額が1,000円、変動率が2%、3年後の金額を求める場合
①現在の金額は『1,000』
②変動率が2%なので『0.02』
③n=3年後なので『3乗する』
これを計算式に当てはめると、
1,000円×(1+0.02)3
=1,000円×1.02×1.02×1.02
=1,061.208円
3年目の予想額は(小数点以下四捨五入すると)1,061円となります。
電卓の機能を使い計算する場合(※使用機種によって異なる場合があります)
★2乗の場合・・・1+0.02⊗⊗⊜(⊗を2回、⊜を1回押す)
★3乗の場合・・・1+0.02⊗⊗⊜⊜(⊗を2回、⊜を2回押す)
★4乗の場合・・・1+0.02⊗⊗⊜⊜⊜(⊗を2回、⊜を3回押す)
【キャッシュフロー表】FP3級試験でよく出る問題
実技の過去問を使って計算方法を解説
FP3級試験の実技試験では、キャッシュフロー表を使った問題がかなりの割合で出題されています。
出題傾向と計算方法をマスターし、確実に得点を取り合格率を上げましょう。
それでは過去問を使い具体的に解説していきます。
【例題】
ここでのポイントは
●収入欄では可処分所得の金額が入る
●金融資産残高欄では年間収支と変動率を合わせた金額が入る
この2点を忘れずに計算しましょう。
キャッシュフロー表の試験問題は3択形式で
『(ア)・(イ)・(ウ)の金額として、正しいものor誤っているものはどれか?』
と出題されることが多いです。
上記の表をもとにそれぞれ実際に計算していきましょう。
※単位:万円
(ア)4年後の基本生活費を求める問題
まずは、必要になる数字を探していきましょう。
①現在の金額は『240万円』(※問われている年に一番近い年を基準にします。)
②変動率は『2%』
③求めたいのは①の『4年後』
これらを計算式に当てはめると
240万円×(1+0.02)4
=2,400,000×1.02×1.02×1.02×1.02
=2,597,837.184円
(ア)の答えは(万円未満を四捨五入すると)256万円となります。
・”4年後”など掛ける回数が多いときは計算ミスに注意。
・心配な時は1年ずつ掛けて計算していくのも手。
(イ)1年後の年間収支額を求める問題
その年の収入合計と支出合計の差額を計算します。
①収入合計は『504万円』
②支出合計は『471万円』
5,040,000-4,710,000
=330,000
(イ)の答えは33万円となります。
・単純な計算問題なので、金額の見間違いに注意
・収入合計や支出合計が空白の場合もあるので、数種類の過去問を解いてみるとよい。
(ウ)3年後の金融資産残高を求める問題
必要な数字は
①現在の金額は『640万円』(※問われている年に一番近い年を基準にします。)
②変動率は『1%』
③求めたいのは①の『1年後』
④3年後(問われている年)の年間収支額は『22万円』
これらを計算式を活用して求めると
640万円×(1+0.01)1 +22万円
=6,400,000×1.01+220,000
=6,684,000
(ウ)の答えは(万円未満を四捨五入すると)668万円となります。
※ちなみに『3年後の収入合計』は2パターンの計算方法がありますが、ご自分のやりやすい方で良いでしょう。
①本人と妻の収入を合計する
給与収入(本人)443万円 『430万円×(1+0.01)3 =4,430,294』
給与収入(妻)70万円
443万円+70万円=513万円
②支出合計と年間収支を合計する
支出合計 491万円
年間収支 22万円
491万円+22万円=513万円
・キャッシュフロー表の問題ではほぼ出題される。
・『変動率を計算→年間収支を足す(引く)』のどちらも忘れないように計算する
まとめ
キャッシュフロー表の実技試験では「変動率」「金融資産残高」を求める計算問題が必ずと言っていいほど出題されます。
一度理解してしまえば、誰でも簡単に解くことができ、確実に点数が取れるでしょう。
変動率の計算は他の分野でも必要になる計算方法なので、最初にしっかりとマスターしておくことをオススメします。
数字の抜き出しミス・計算ミス・正しいものor誤っているものどちらを解答するのかなど、ケアレスミスに注意しながら何度も過去問を解いておくと本番での自信に繋がるでしょう。
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